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12月3日 「師走寒波がやってくる」と気象予報士が等圧線を指さした。 飼いカメの本格的な冬眠時期になった。朝、自分の布団にくるまってもう何日も出てこない彼女を布団ごと外に出す。 数日前から用意しておいた冬眠バケツには水を張った黒土が泥田状になっている。水と新しいさらさらの黒土を足し準備万端。 各地で拾ってきた落葉はのビニール袋を開くと、桜のいい香りがする。旅と地元の思い出がつまった桜にイチョウにモミジと椚だ。 そっと布団をはいで外気に触れるとカメは 「えっ? えっ?」 ときょろきょろしたが、バケツに入れ、泥水と落葉に包まれると、すぐ静かになった。 さいごに山梨・笛吹の八田家書院を見学に行った時いただいた無患子(ムクロジ)の実を入れてバケツの蓋をした。実の入った小袋に「子どもが病気をしませんようにというお守りです」と書いてあった。 一日仕事をして、五時に郵便局へ行った帰り、空に浮かんだ大きな月に見惚れた。 夏は七時まで明るかったのに、夏は遠くなった。 空を見ていたら、昨日ニュージーランドのお客様に本を送ったことを思い出した。暗くなった空の向こう、冬の街から夏の国へ、税関を通り赤道を渡って、本は飛んでゆくんだな。
11月のユーコさん勝手におしゃべり |