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10月13日 「あなた、こないだ いなかったじゃないの」 小庭の裏で、植え替え作業をしていると、カメのいる方から老婦人の声が聞こえた。 「カメさん、あなた、こないだ いなかったじゃないの」 ともう一度言っている。 朝晩気温が下がってきて、飼いカメは夕方になると、「家に入れてくれ」 と店主に目で訴えてくるらしい。 うちの飼いカメではあるが、通りすがりに覗いて行ったり、声をかけたりする人も多いので、私は、 「夜も外でいいよ。寒ければ水に入って寝てるだけだし」 という意見だが、店主は、 「それじゃかわいそうだよ」 といいつつ、カメを招き入れ、ふれ合い逢瀬を楽しんでいる。 老婦人は、 「カメさん、よく聞いているけど、おはなしわかるの?」 ともう一度、カメの方に体を傾けて聞いていた。 まるでカメがご婦人との約束を破ったかのようだ。 アイドルはつらいんだな、とご婦人と無言のカメとのほほえましいやりとりを聞いていた。 10月3日 夜中、トイレに行くとき、足がダル重い。 急に秋の気配がしたのに気をよくして、9月末日に横浜の里山ガーデンとズーラシア、10月初日に書庫の整理、そして昨日の植え替えと立て続けに肉体を酷使した。 朝食に秋の果物をたっぷりお腹におさめ、昼食後店を開けるころには身体も回復した。 お客様の本の発送で郵便局へ、注文書を取りに書庫へと店を出入りしていると、店のドア横のラティスを這い上がる琉球朝顔が目に入った。 何年か前、お気に入りだった園芸店の閉店セールで売れ残っていた2苗を購入したのだった。最初弱弱しかった苗も今ではよく茂っているが、花は咲いたためしがない。 最初のひとつが咲いたとき、私はどんなに喜ぶだろう。 その時の自分を想像するのを楽しみに、今年の夏も暮れてゆく。 10月2日 待ちに待ったビオラの苗が、ようやくホームセンターの園芸コーナーに並び、今朝、秋の植え替え第一弾をやった。 一番の収穫はミミズだった。咲き終えたサフィニアの根を抜き土をかき回すとニョロリとミミズがみえた。園芸用の箸でつまんで飼いカメのいるプールへ持っていくと、狂喜乱舞で大口を開ける。 ハンギング用の軽い培養土の入ったハンギングプランターで、いつの間に育ったのかミミズは4匹もいた。自然の不思議だ。私にみつかってしまって、カメの栄養となった。 「もう ないの?」とカメは作業中の私を見つめ続けていたが、他のプランターにはいなかったので、今日は4匹で終了。 植え替えも終わって、道具を片付けると、カメもあきらめて、プールに潜って昼寝をはじめた。
9月のユーコさん勝手におしゃべり |