ユーコさん勝手におしゃべり

7月12日
 シオカラトンボ、赤とんぼ。
 雨の朝、そろそろ池で蓮の花が咲くかしらと堀切菖蒲園へ行ってみた。蓮は、まだだったけれど、水草の茂った池の上に赤とんぼがスイっと飛んでいた。
 スズメが一羽、水草の葉の上から上へ、チョンチョンと渡ってゆく。葉の浮力と自分の重さを測るゲームのように。
 池の上にはシオカラトンボも飛んできた。菖蒲まつりが終わり誰もいない園内は、静かにカラフルだった。
 昨日、店横の小庭に小さなバッタをみつけた。黄緑色のスリムスタイルで、シュッとした顔を天に向けている。今年の初見で、思わず「おかえり」と声をかけた。
 小庭で暮らして何代目になるのかわからないけれど、生まれて間もない彼にとって、私は見知らぬおばさんだ。
 まだ梅雨も明けぬ7月第2週なことが信じられない猛暑が続いて、人間はバテ気味だが、暑さ好き、猛暑上等、な生き物もいる。
 まず、小庭のカメは1日に2度目の産卵をして、13個の卵を排出した。食欲も旺盛で、もう1・2回産卵するのだろう。
 あまり暑いので、店主が子ども用ビニールプールを買ってきて小庭に置いてみたが、うちのカメは泳ぎがめっぽう苦手で、水に入れてもすぐバタバタと慌てて水から上がってしまう。結局、水深の浅い桶に手先と口先だけ突っ込んで、日がな日向ぼっこしている。
 それから堀切菖蒲園駅舎のツバメたち。7月に入ってヒナの体も大きくなり、巣が崩れ始めていた。通るたび心配しながら見上げていたら、7月8日、ツバメの巣に別荘ができていた。
 巣立ち始めた大きなヒナのいる本宅は、駅ガードの電灯の上にある。そのすぐ脇の柱に、針金でお菓子か果物が入っていたようなカゴが設置されて、カゴの淵から小さな灰色の頭と黄色いくちばしがいくつか出ている。
 どれが親鳥か兄姉か見分けがつかない何羽もが、かわるがわる飛んできて面倒を見ている。見守る人の愛情に包まれて、盛夏の空に飛び立ってゆくのだろう。
 私にはチト暑すぎて、あせもができてしまった今夏、猛暑を楽しんでいる生き物になぐさめられる。

6月のユーコさん勝手におしゃべり
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