いざ

ユーコさん勝手におしゃべり

10月18日
 筆が進まぬ秋なのである。
 9月末にいったん涼風が吹いたものの、30度へとぶり返し、10月最初の一週間を席捲した。
 園芸店にビオラが入ったら書こうと思って、待てども待てども植え替え時が来なかった。夏服秋服総動員の10月である。
 夏日が続きながらも上空は秋空が広がり、空気が澄んできた。好天に誘われ、連日自転車に乗って荒川土手を走った。
 第一週目に土手の主役はヒガンバナからコスモスへ変わった。
 10月11日にテントウムシを見つけた。暑くて夏眠していたのが目覚めたのだ。それに呼応するように、園芸店にパンジー・ビオラが並びだし、小庭の一部が秋になった。半袖でもうっすら汗をかく日ざしのせいで、秋の実感はなかなか わかない。
 そして10月14日、荒川土手にゆりかもめを見た。
「だって冬鳥でしょ」と、ちょっとびっくりした。今期の初見である。自転車で葛西臨海公園まで走り、海辺でのんびりしての帰り道、荒川の河口と江戸川競艇場の中間地点だった。冬には群れで見る鳥だが、一羽だけ、土手際のポールの上に止まっていた。
 季節はいつの間にか進み、少しずつカレンダーに追いついてきた。
 いつもなら10月に入ると香りだすキンモクセイが、いっせいに開花し、遅ればせながら街中のあちこちで芳香を放ちだした。
 でも気温が安定してきた今、暑すぎて咲くのを止めていた小庭の夏の花たちが元気を取り戻し、次々開き始めた。夏から秋への植え替えは、再び休止中である。
 今が何月か、カレンダーを見ないとわからなくなるような10月である。 

9月のユーコさん勝手におしゃべり
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