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8月31日 今年のカメはニワトリ化している。 毎朝、小庭に出るとカメ用プールの中に2・3個のたまごがある。カメは自分のうみ出したたまごに無頓着で、踏みつぶしたりするので、多くはカラだけになっている。 人の顔を見るとさっそく、「エサ、ください」と要求して、毎日たくさんのエサを食べる。お腹にたまごがたまっていて、なかなか排出できずに苦しんでいたころは、茹でエビとかアサリを少しずつ召し上がっていたが、今や、 「市販のエサで充分満足です!」 とパクパク食べる。 よく食べ、日々産む。めんどりのような今週のカメさんである。 8月24日 「しっぽさん 元気ですか 私も 元気です」 おじいさんが、小庭の飼いカメに声をかけていた。(「しっぽ」はカメの本名で、名前を書いた張り紙が貼ってある) 店主によると、おじいさんは毎日ここを通り、毎日同じことばをカメにかけてゆくという。 老若男女、もの言わぬカメに話しかける人は絶えない。カメはいろんな声を吸収して大きくなり、今週ポコリポコリとたまごをうんだ。 8月15日 数日前たくさんの雨が降った翌朝、雨上がり、小庭のプランターにてんとう虫が出てきた。 冬眠夏眠があり、ほどよい季節にしか活動しない彼らは、今年、ほんの少ししか起きていない。猛暑の夏の間、とんと姿を見かけなかった。 今朝また一匹、頭上のジャスミンの葉の上にいるのをみつけた。来週は再び酷暑が戻ってくるそうだ。 てんとう虫、今年は起きてるヒマがない。 8月10日 それはある日 とつぜんやってくる。 永遠に続くかと思われた真夏にかげりがみえてきた。カレンダーは立秋を過ぎた。 夕べ、寝室の窓を開けて外を見た。今まで就寝時はクーラーが必須で、窓からの景色は封印されていた。 やや涼風を感じる昨夜、クーラーをとめて網戸越しに空を見る。ひつじ雲の向こうに満月が輝いていた。 そして今朝、小庭に出ると飼いカメがひとつ、たまごを産んでいた。 秋きぬと目にはさやかに見えねども… 8月1日 カメが遊びを覚えた。 「三十にして立つ」というやつか。 小庭の飼いカメは、飼い主やよく来る人を認識している。足音や声を聞き分けているらしい。 でも、喋るわけでもないし顔色も変わらないので、感情の動きは不明であった。 だが、7月31日にそれは突然あらわれた。 カメ用に水を張ってある小さな幼児用プールに、店主が青い花模様の付いた瀬戸物の浮き玉を入れた。すると、カメが鼻先でそれをつついた。 ふっと逃げる浮き玉を追ってまたつんとつつき、浮き玉を追ってカメが泳ぐ。 「カメが遊んでるよ」 と店にいた私に店主が声をかけた。私が外に出ると、カメは水族館のアシカやオットセイのように鼻先で浮き玉をポンと投げ上げてそれを追ってプールをぐるりと泳ぎ回った。 「キュー」と声まで出している。 御年30歳にして、感情の発露を新たに見せてくれたカメに驚く、今年の盛夏である。
7月のユーコさん勝手におしゃべり |