ユーコさん勝手におしゃべり |
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9月28日 9月が往く。 先週の金曜日、私の中の花時計が「そろそろ萩だよ」と呼んだので、近所の堀切菖蒲園へ行った。あいにくの曇天だったが、萩のトンネルの出来具合は80%になっていた。 翌土曜日の朝、向島百花園の萩のトンネルが見頃だと新聞に出ていて、「やっぱりねぇ」と自分の勘に満足。その後雨模様の日が続き、今日、「これぞ秋晴れ」の空の下、萩のトンネルをくぐりに向島百花園へ行った。竹で組んだトンネルの間から顔に降りかかるように咲く萩の花、そして、トンネルの中にふりそそぐ木洩れ日がこの季節の中で一番好き。 今日の収穫は「たますだれ」。この半月位、民家の塀の下や花壇のふちに咲く純白の花が気になっていた。昔からよく見る花だけれど、名前を知らない。見るたび気にしていたのだが、今日それがわかった。向島百花園には入口に今咲いている花の写真と名前を書いた看板がある。「たますだれっていうのかぁ」と心に刻む。今度球根を買ってムスカリの隣に植えよう。春は青で夏は白のふちどりプランターができる。 花や木にまめに名札がついていたり、入口に花の一覧看板があるのはとてもよいサービスだ。 「雑草かな 雑草じゃないよ おみなえしだよ 」 と、「かわいいコックさん」のメロディで、地味だけれどかわいい黄色の花に歌いかける。名前を知っていれば、友達だ。 9月21日 二日続けて秋晴れだ。 亀有駅前にある銀行まで出かける用事ができた。自転車で行くことにする。大通りを通って90度曲がれば亀有だけれど、そんなのもったいない。方向の見当をつけて住宅地をめぐって行く。わざと迷いながら、不安と、知っている道に出たよろこびを味わう。住宅地を通る時楽しみなのは、路地やお庭の植物観察。行き帰りの路上で都合三回、金木犀のにおいをかいだ。そのうち金木犀の花を見つけられたのは一ヵ所だけ。あとはきっとどこか近くの塀の中か、少し離れたところから風に乗って香ってきたのだろう。 「金木犀が咲いたら、あのお店に行かなくちゃ」とひらめくところがある。別に何ということはないマーケットなのだが、そこの向かい側のアパートに大きな金木犀の木があって、この季節、良い香りをさせているのだ。 ただ自転車に乗っているだけだけれど、頭の中はあちこち遊びまわっている。 今日店主は、バイクに乗って早朝からいそいそ出かけた。おとといの草津白根山方面・万座林道に続いて、今日は日光方面・粕尾峠、山王林道をめぐるそうだ。 秋晴れの日々、お天気は何よりのごちそう。遠くへ行くのも、近くをうろちょろするのも、どっちも特上の冒険だ。 9月20日 朝から秋晴れ。エプロンをつけて麦藁帽子をかぶって外に出る。 開店前のひととき、店の横で、店主はバイク洗いに余念がない。私は来春のためにビオラの種まきをした。 「人間じっとしてると腐る」と思っている店主は、昨日林道ツーリングに行ってきてアチコチ走りまくり、今朝はごきげんだ。 「できれば何もせず、手元に本だけおいて丸まって過ごしたい」と思っている私は、昨日も平凡に働いて、今朝の日差しに大満足だ。 互いに背中を向け合って、お互いのやり方で、仕事に向かう気持をつくっていく。 9月15日 「わ、かわいい字」 毎日封書に入れられて郵政公社から送られてくるお客様からの払込票をあけた時、思わず声が出た。世の中には様々な人がいる。群れなして歩いているように見える雑踏の中の人も一人一人本当はみんな違う。 自分には決して書くことのできない文字を見て再認識する。まっすぐに正座したように並んだ文字との出会いが、忘れかけていたことを思い出させてくれる。 ことば使いや、仕草や、文字、あなたの知らないところで、あなたの一部やあなたの何かが、人を感動させているかもしれないと思えば、人生は楽しい。 9月10日 齢を重ねるということは、予測ができるようになるということだ。良いこともあるし、悪いこともある。先日、温泉旅行に行った。草津・四万・軽井沢とめぐって、涼しさと景色を満喫した。でも自然と目は、一部の木のてっぺんからうっすら始まった紅葉の兆しにいってしまう。次に来る時は紅葉だ、金精峠は10月下旬かしら、と頭の中のカレンダーをめくる。子どもならば、今、この葉の色や風景だけを見るはずなのに、その先にある姿を予想してしまうのは、少し哀しいことだ。 今回の旅での収穫は、サルビアの色。子どものときからよく見ている朱色のサルビアの色を、都会の生活の中でとびきりきれいだと思ったことがなかった。それが、高原へ来て、その鮮やかさとかわいらしさに驚いた。こういう色の花だったのかと再認識。サルビアは高原で見るに限る(?)。 昨日私がちょっと留守にした間にいらっしゃったお客様が、自らのブログに当店のことを書いてくださった。写真もきれいに撮っていただいたのでご紹介します。 http://mods.mods.jp/blog/ (9月9日付) ちょっとほめられすぎで、くすぐったい。革装の本で工作したドアノブををほめられた店主は、「ほめられちゃったら手入れしないわけにはいかない」と、ドアノブをはずしてニスを塗りなおしたりしています。ドアノブをはずしてから、「今来たお客さんはどうやって店内に入るのだろう。」と言うので、「お客さんが来たら、私がこっちからドアを開けに行きますよ。自動ドアです。」と答えた。 9月3日 読書の秋のはじまりを感じさせるような風が吹いてきました。近所の街路の黄花コスモスが満開です。堀切菖蒲園や向島百花苑の萩のトンネルの出来具合も気になってくる頃です。 何をしても気持のよい季節、何から手をつけましょうか。 店主に曰く、 「さんまの時期、 さんま食わなきゃ バチあたるよ」 です。 目をあげよ もの思うなかれ秋ぞ立つ いざ自らを新しくせよ (作者不詳標語)
2006年8月のユーコさん勝手におしゃべり |