ユーコさん勝手におしゃべり
本格的に春が始動した。
むくげが芽吹き、ムスカリが満開となり、チューリップのつぼみはふくらんで何色で咲くのかを教えてくれる。クロッカスは今春何度目かの花をつけ、ジャスミンのつぼみは成熟し…数え上げればきりがなく様々なものがうごめく。つぼみのうちに油虫の駆除剤をまいたので花びらがちぢれて咲いたパンジーの、後世のための尊い犠牲に感謝する。
プランターを見るたびに「ああ うれしい」と声のもれる春の日である。
3月27日
3月30日は私の父の誕生日だ。でも生まれたのは4月2日らしい。父は、新潟の米農家の末っ子だ。すでに4人の子を持つ両親は、お産婆さんと相談して、3月30日生まれと届け出ることにした。一年早く学校に入れば、一年早く卒業・自立できる。多くの人が病院で、「正確に」生まれる現代では考えられないけれど、昭和の初め頃ではよくあることだったようだ。
姉兄に連れられてよく遊び、たくさん働き、大人になって東京に出てくるまでに、大地から多くを学んだ。後年になって聞いた誕生日操作も笑い話の一つとなり、他にも牛の話、馬の話、きつねにばかされた話、と、思い出はつきない。今回の北陸の地震では、父の故郷の広い大地も揺れたろうと思う。震源の能登半島では今も余震が続いている。そこに住む多くの人々とその生活一切をのせたまま、大地が揺れているのを想像すると、心痛む。
衷心よりお見舞い申し上げます。
3月24日
さいごの寒波がゆき去って、いよいよ暖かくなってきた。寒くて乾いた日々から一転、今夜からは雨が降るらしい。
どこへ行っても最近は雪柳の白があざやかに目に入る。プランターのムスカリも青く色づいてきたし、飼い亀も昨日は冬眠バケツから出て元気にひなたぼっこにいそしんだ。買い物に出るときには、桜の木がある道を選んで通ってみる。しかしまだ花開いているソメイヨシノはない。先日までの寒さで硬くとじたつぼみは、東京に開花宣言が出たからといって、つられてイソイソ開くわけにはいかないらしい。週末のこの雨が過ぎてから、落ち着いて咲きほこるつもりのようだ。楽しみに、もうしばらく待つことにしよう。
3月16日
今朝方、東京に一瞬も積雪しない初雪が降った。
空中で見ないとすぐ消えてしまうほのかな雪片をいくつか、朝刊をとりに外へ出たときに確認した。3月半ばを過ぎて初雪を見たことを、今冬の思い出にとっておこう。
季節がうつっていく順が、昔からずっとかわらないことをうれしく思う。明治45年に書かれた中勘助の日記随筆を読んでいる。出てくる花の名やその様子、そしてその日付が、私の見ているのとかわらない季節のすすみをうつしている。地球に住み、この同じ大地の恵を授かっていることに感謝したい。
3月13日
外に出て風の冷たさに驚く。寒の戻りだそうだ。戻りと言われても、厳冬の日々がなかったのでピンとこない。ゆっくり見る間もなく、東京の梅は何日か前の大風で散り去ってしまった。今年は梅も早く咲いたし、桜も早く咲くという。「例年になく…」が続き、いつどこに何を見に行けばいいのかわからなくなっている。
季節の過ぎるのが早すぎて今年は梅を愛でには出かけられないと思っていたところ、この寒さがやって来た。梅の花もちもこれで少し伸びるかと、少しホッとする。今週は栃木・足利の梅園に梅見物に出かけよう。
北日本の皆様には大雪お見舞い申し上げます。
沖縄はつつじが咲きはじめたとニュースで見ました。この冬「国中が暖かい」と聞いていたので、日本が縦に長いということを久々に実感しました。
今朝、鳥取のお客様からいただいた注文書のコメント欄に「今日は、満開のサンシュに春の雪です。」と書いてありました。想像力をかきたてるうれしい便りをありがとうございます。
3月10日
今年は厳冬がなかった。着るものに腐心することもなく、夜書庫に本を取りに行くことも、いつもの冬のようには苦痛に感じない。身体は楽だったが、何かいつもと感じがちがう。春になることに、わきたつような喜びがあふれてこないのだ。沈丁花は咲き、満開になった。でも満開でも例年より香りが薄い気がする。もくれんは咲き誇った。でもいつもより花が小ぶりに見える。
気のせいだろうか。それとも、厳しい冬を経験しないと、自分の中の春の喜びスイッチが入らないのかな。日々けなげに咲いてくれるパンジー・ビオラに声をかけ手入れをしながら、何か花々にすまない気がしているこの頃です。
3月9日
今朝、目がさめた時、
「今日は、サンキューの日だ」
と心の中が言った、3月9日。
インターネットで注文のあった本を、書棚から集める時、いつも手に品番と書名を書いたメモを持っている。数字を語呂合わせして2つか3つの品番を頭に入れて、本を探しに立つ。メモを見てもよいのだが、脳トレにもなると思って、毎回数字の語呂合わせをする。8桁の数字2冊くらいは覚えていられるが、3冊目はちょっと厳しい。そんなことを繰り返しているので、車に乗っても、対向車や目の前にいる車のナンバーを語呂合わせして楽しむくせがついていて、カレンダーの数字も気付くといろいろに読んでいる。
そんなわけで、今日はサンキューの日。thank you.「あなたに感謝」だ。
あらためまして、
いつもいいたいことを言わせていただいて、ありがとうございます。
お読みいただいて、、ご注文をいただきまして、ありがとうございます。
I thank you.
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