若いということは、すばらしい。いまひら いた力のあふりで はなびらが揺れているように。肌も、うぶ 毛も新しくて、ふれる微風も眩しそうだ。 若さを、よごれた手でふれまい。たとえ眼 にあまることがあっても、寛大でありたい。 人が迷ひなく愛しあえるのは、若いときのこと。 殘念ながら、どんなよい人生があっても、 若いということにはかなわない。 僕らが生れてきた甲斐と言えば、ただ一つ。 じぶんにも、若い日があったことだ。